#6 音楽の趣味。
いろいろ好きなこと、やりたいことはあるけれど、その中のひとつがピアノ。子どもの頃、いや、けっこう大きくなるまで18年もの歳月、ピアノを習っていた。ピアノの先生からは、このままピアノの先生になることを勧められたけど、自分の中でそれはどうしても受け入れられなかった。
理由はふたつ。ひとつ目は、好きなことを職業にはしたくないということ。食べていくためには、ピアノがいやな時も関わらなければならない。そうなったときに本当にピアノが嫌いになるかもしれない…そんな不安があった。
もうひとつは、自分の弾き方、タッチの問題。ピアノを弾くって、実は結構体力、腕力、握力とかが必要で、体全体を使って弾いていたあの頃。なのに、急にピアノの先生からもっと優しく弾くように、手首を柔らかくしてと指摘されるようになった。大学でもピアノの時間があって、その先生からも同じことを言われるようになった。今までの自分の弾き方とは違うことに葛藤しながらも、自分なりに必死に練習していたけれど、毎週レッスンのたびに言われるのは同じことの繰り返し。優しく柔らかく。でもできない。だんだんピアノのレッスンが辛くなっていった。長いピアノ人生の中で、こんなにピアノと向き合うのがしんどくなったのは初めての経験だったかも。もっと気楽に弾きたい。もっと楽しみたい。でも、それが叶わない日々が続いた…
大学卒業と同時に、ピアノからは離れた生活を送っている。一応電子ピアノみたいなものは持っているけれど、滅多に弾くことは無い。聴くのは好き。ベートーヴェンのソナタも、ショパンのエチュードも、バッハのインベンションも、ソナチネアルバムも全部全部大好き。
クラシックもいいけれど、実はインストゥルメンタルの巨匠、服部克久さんも大好き。服部さんの曲ももちろん大好きだけれど、何より服部さんの、音楽を楽しんでいるところが好き。
服部さんのお父様は、かの有名な服部良一さん。昭和歌謡の重鎮。その2世の服部(克久)さんは、プレッシャーなどもあったはずなのにそれを全く感じさせず、自分らしく優しくて切ない、優雅で上品なメロディをこの世にたくさん創りだしてくれている。
たとえばコレ↓
あちこちで音楽監修や編曲のお仕事も。大変さやしんどさを微塵も出さずに、飄々と、ふわふわと、育ちの良さを滲ませながら、洒脱に振舞っているその姿に、いつも元気をいただいている。大昔、弾き語りのトークショーで、握手とサインを頂いたのは、本当にいい思い出。
そんな服部克久さん、もうかなりのおじいちゃん。なんと82歳!!少しずつお仕事もセーブしてるのかな。東京は、この冬何度も冷え込んだ日があったみたいで、服部さんはお元気なんだろうか?ちょっと心配。いつまでも優しくて切ない、優雅で上品な音楽をこの世に送り出して欲しいなぁ。そう思う毎日。
音楽を楽しむという原点を教えてくれた服部克久さん。今でも自分がピアノを好きでいられるのは服部さんのおかげかもしれない。そんな服部克久さんの代表曲がコレ↓。聴いてね。